ベシだべし

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ベシだべし

ほとんどテレビを見ない生活ながら、夕べは偶然に引き込まれた。

NHKプレミアム10「赤塚不二夫なのだ!!」を見て揺さぶられてしまう。

赤塚の作ったキャラクターは今もその影響を「言葉」として大きく残す。
それぞれのキャラクターの語尾に与えたそのイメージが今も書き物をする
と現れて、その度に赤塚の偉大なることを知るのである。

文末に「である」と書くから、お前の文章にはツッコミができないぞ、なんて
言われておりますが、「バカボンのオヤジか」と聞かれればちょっとうれしい
のが、「なのだ」絞めであります。

番組中、「のだ」の効用画分析され、「そうだそうだ そのとおりなのだ」と
思うのは、世界をつくる言葉だから”なのだ”

赤塚漫画は主人公よりサブキャラがひとり立ちして目立つのは、世界を作
るものが決して中心人物に限らないという楽しさがある。

天才バカボンはタイトルとして秀逸だが、登場してくるオヤジのほうが世界
をつくる。
バカボンはボケであり、つっこむのはオヤジだったり家族だったりする。

その世界を認めさせてしまうのは「これでいーのだ!!」というクォーテー
ションマーク付のやさしきオヤジ心”なのだ”

今の世の中、肯定しきるものが恐れられている。

他人とは違うもんねワシなどと思っていても、まずは他人様を観察しようと
するのは今の行き方である。

登場するキャラクターがそれぞれ違う世界を持つから、赤塚漫画の世界が
広がるように、それぞれ同じ言葉同じ考えになってしまえば個性もなくな
ってしまう。

「これでいいんダス」 「これでいいんだべし」 「これでいいニャロメ!」

赤塚漫画が今生まれたら、周りに迎合し、突飛なるものを排除し、差別と
もとられかねない言動に眉をひそめられるかもしれない。

赤塚は今、病院で意識がなく眠っているという。

言い切ることもできず、迎合する世界には生きられなくなった彼が今は
眠りの国から世間を眺めている。

番組中でニャロメが当時を回想する、その横にはケムンパスとベシがいた。

「こんな世の中になったでやんす」

「問題だべし」

それでも、赤塚は全てを包括して言い切ってしまう。

「これでいーのだ!!!」

よくない、よくないと、今度だけは赤塚復活を望んでいるのであるのだ!!

※写真はカルマンギアおじさん日記からお借りしました。


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