夏は秋のはじまり

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夏は秋のはじまり

おや?と気づくと、もうネコジャラシが穂をつけています。

郊外の野にしばらく行かないうちに、もう穂をつけて揺れている
ネコジャラシは涼風のように静かにそこに在りました。

畑がすぎれば膝ほどにも伸びた稲が夏に勢いをあげています。
いつの間にか早苗は稲と名を変えています。

白いサギはもうその羽までも緑に包まれているのです。

精一杯背伸びを続ければ彼女らはネコジャラシのように立派な穂を持つ
ことができるのです。

バンバン、ドーンと胸に響く花火の音を聞けば夏がやってきて、花火を
見る度に秋が近づいてくる。

先達のネコジャラシの後には緑の穂、金の穂が育ってゆくのです。

夏の暑さに育ち、豊かな雨に打たれて稲は育ちます。

夏祭りが終われば、今度は豊年満作の祭り、ネコジャラシは一番早く
豊年満作を知らせてくれているのです。


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