昭和があるところ

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昭和があるところ

「たまにはお昼からのんびりと庭を見ながら楽しみましょう」

こんな魅力的なお誘いをいただいたのは”フォークソングな日々”のKAZさん
でした。
向かう場所は浜松駅からバスで50分ほどの気賀、太い松のある細江神社
の隣にある昭和初期そのままの旅館”吉野屋”です。

「お酒を呑むから全員バスで」というのもスローでうれしい、久々のバスは浜
松駅ロータリーから15番線から乗り、土曜の空いた道を走るのです。

気賀は都田川の河畔にある歴史ある姫街道の宿場町です、バスから見下ろ
す川には釣り師がズラリ、そろそろのんびりしたハゼ釣りが始まったのでしょ
うか

国民宿舎前のバス停から徒歩1分のご案内どおり、到着した吉野屋さんを
見た瞬間から昭和初期にタイムスリップがはじまりました。

奥には50人ほどが使える大広間のある離れがありますが、今回は母屋の
正面の離れを使わせていただきました。

昭和があるところ

萱ぶきの屋根の二階建ての離れの一階はどの建具も昔懐かしい木の建具
でカラリと玄関をあけて部屋にはいります。

部屋には吉野屋さんのご長男だったという浜松を代表し、全国にも知られた
野島青除茲さんの絵が掛け軸に使われておりました。

昭和の旅館を思い起こせるでしょうか、次の間がつきそこに鏡台や衣文掛け
のあるあの旅館です。
スッと土と木と紙の匂いだけがする。空気の静かな旅館です。

集まった仲間は昨月の浜名湖フォークジャンボリーでお世話になった数人の
仲間たちでした。
昭和を背負いながら、今その心を寄せ、もう一度心若い力と歌を歌おうという
みなさんたちでした。

昭和は遠くなったように思われますが、探せば本物がまだ確かにある。
それは自分たちの心の中にあり、集って話せば思い出す美しい曲や力がある。

割烹として使わせていただき、料理をいただきながら開け放った窓から庭の
風を入れて過ごしました。

お酒も少し過ごしました。次の間で少しウトウトと寝入りました。

昭和のおばあちゃんの家を思い出しながら畳の上で眠ったのでした。


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この記事へのコメント
こんな静かな、時間がゆるりと過ぎる空間は物事をじっくり考えるのには最適です。

効率、採算、優先順位など、今を生きる僕らには重要な事にちがいありませんが、それだけではない、ものさしを気づかせてくれる吉野屋の離れでしたね。

美味しい料理、ゆっくり流れる時間、ステキな仲間たち。楽しい一日を有難うございました。
Posted by KAZ at 2008年10月05日 11:02
KAZさん、昨日はお世話になりました。
静かという言葉が似合い、和で育った我々を再認識した部屋でした。
あの部屋の香りは今ではかげない木と畳、土と紙の匂いなのだと
思います。それがどれほど心を落ち着かせてくれるのかを思い出した時間でした。また是非参りましょう。
Posted by イチローイチロー at 2008年10月05日 17:22
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