イチロー的こころ（旧版）

１２月３０日をもって終了。
葵東の料理居酒屋庄屋さんの灯は日が変わって３時に落とされ、１９年続いた
庄屋さんを見届けることができました。

さまざまな人がそれぞれの思い出を思い返しに庄屋を訪れ、大将が一人一人
暖簾の外まで送り、再会を期す。

全てのお客様がお帰りになり、手伝った長男のエリーのお兄さんら３人の息子
さんと我々がいる席に大将が座る。

「すごい男がいてね」。弟子である居酒屋酉幸のクニさんが語りだします。
その”男”は若い頃から庄屋を愛し続け、旨いものを庄屋で食べることで自分の
目標を遂げようと努力し、達成した男。

かつて１２時を回ってお刺身が食べられるお店は浜松には少なく、庄屋はステ
イタスのあるお店、そこに通える男になることが若い彼の成功への力となったと
いうのです。

「今日は俺は最後までいるからな」、男はクニさんに言ったという。
その男は、奥座敷で眠ってしまっているという。本当に最後まで帰りたくないの
です。

そんなことを話していると、男が起きてきた。

「起きたら誰もいなかったよ」。照れながら、でも最後の瞬間に居合わせた男。

「いいものをプレゼントするよ」。庄屋の大将がお店に飾ってある「庄屋」の額
をはずします。

さきほど、大将が、店を愛し続けてくれたその男の結婚を祝してプレゼントした
いと言っていたものでした。

残った我々の前ではずされた額が男に渡される。

愛し続けた男がそれを受け取る顔は美しく、渡した大将の感謝の心がしっかり
と届きました。

拍手。大将も、厨房の三十四さん、三人のお子さん、酉幸さんと若い衆、バン
ダナさんとで拍手をしました。

「写真撮ろうよ」バンダナさんが言う。「暖簾を持って全員がそこに寄るんだ」

最後のレポート写真（庄屋さんの思い出カメラで撮影）を撮ります。

暖簾を持って全員でポーズ。全員が笑顔で写ってくれました。

「大将帰ります」

「今度からはラグビーも飲みにもいけるかもだぞ」

「うん、行こうね大将」

「おつかれさん！みんなにありがとうと伝えてよ」

そんな写真を撮りました。＞みなさんへの写真です。

１９年続いた店を一旦閉め、新年から新しい事業へと転進する大将。

”庄屋”の名前は残すと言います。

だから誰もが、再開と再会を期して帰って行った。

まずは庄屋の大将、お疲れさまでした。そしてお母さん、三人のお子さんたち
厨房の三十四さん、みんなで最後まで盛り上げることができましたね。

愛され続ける庄屋と、庄屋ブログは続く。

「風邪の日も体調すぐれない時も１９年間休まなかったよ」

庄屋の大将の勲章です。

大将が愛した庄屋だから、みんなが愛し続けた。そして愛され続けるのです。

昨日（今朝）の見届け人の一人として報告します。