スポ根の徐吉嶺選手

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スポ根の徐吉嶺選手

春の新人記者会見でヤマハラグビー部に入団した一人の青年が決意を語る。

ヤマハの新人徐吉嶺(そ・きるりょん)選手は言う。
「在日朝鮮人として在日同胞の為にもがんばります」。

徐吉嶺選手は愛知朝鮮高級学校→朝鮮大学校でラグビー部でラグビーを愛し
その盛り上がった肩、厚い胸、誰よりも前へ向かう闘志を見込まれて入団した。
大学の先輩である兄と同じくニックネームは「ブンタ」と呼ばれることになった。

明るい性格で先輩後輩の礼儀を重んじ、練習グラウンドで弾けるような笑顔を
見せる姿に誰からも好かれる。
ただし、社会人ラグビーの厳しさを教えようと、キツイ練習、高いレベルの要求
をうけ、それに立ち向かってきたのです。

トップリーグ初戦、ホームのヤマハスタジアムの試合は選手らにとって、最高の
舞台であります。
試合を前にした木曜日、大久保練習グラウンドでスタメンを言い渡され、トップ
ジャージを手にしたブンタは顔をひきつらせるほどの緊張の中にいた。

彼は大学リーグでもこれほどのレベル、対戦相手と戦ったことがなく、ただ自分
と、信じて任せてくれたチームを信ずるしかなかったのです。

取材をしながらブンタに、「ヤマハスタジアムで新人デビューし、見事トライをあ
げた先輩選手のトミー(冨岡耕児選手)の話をした」

昨日のヤマスタ、キックオフのピッチに飛び出そうと並ぶ列にブンタがいた。

張り詰めた筋肉をトップジャージに包み、気合が入った顔の彼の背をバンッと叩
いて「トライいってくれ」と願いと期待を伝えた。

「やります!」彼は言って出ていった。

前半終了間際、堀川隆延監督が「ゴールする嗅覚を持っている」と言い、「試して
みたい」と期待した指令塔大田尾竜彦選手らの話どおりに、彼はトップスピードで
左外をはしりあがり、相手をひきずりながらトライをあげた。

後半もワールドカップの活躍そのままを見せた大西将太郎、我々ファンが親孝行
男と呼ぶ、石神勝選手らのキック、トライなどで得点を重ねたヤマハがトヨタに粘り
勝った。

大きく手をあげて、バックスタンド、メインスタンド前に整列する選手らの”達成感”
の中にブンタはいた。

スポ根の徐吉嶺選手

彼を同じ闘志として祝福した選手らに彼はトップリーガーとして認められた。
なによりブンタのトライをいち早く祝福したのは先輩のトミー、さらにこの写真でも
ブンタを見守りながらトミーがそこにいる。
厳しき先輩は後輩の活躍をもっとも喜び、さらに彼を引き上げようとしている。

「おめでとう」と言いカメラを向けると、こんな笑顔を見せてくれた。

撮れなかったと思われたらしく、「撮ってくれないんですか」などという笑顔のブンタ。

ブンタのトライがレーザートライ(そう呼ばれている)ならば、カメラだって秒撮である。
ちゃんと撮っているのです。

応援しているよブンタ。
まっすぐで先輩を立て、ひたすらがんばる明るいブンタのことをみんなが応援している。

トップリーグはまだ1/13、我々は新人王を目指せと思っているんだ。



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