柿渋色かきしぶいろ

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柿渋色かきしぶいろ

原風景という言葉は心に響く言葉です。変わってしまったこと
移り変わってしまったことを嘆くより、心清らに元の景色の中
に戻ったように感じられること、その景色の中では私たちは何
歳にも戻ることができるのです。

日本の伝統色のその色と名前を見て何が書けるかに挑戦してい
ます。

柿のなる風景、その柿は地方によっても違いますが、どの柿を
見ても郷愁を感じます。
郊外のもっと奥の山里の柿にも私たちは故郷のイメージを持つ
のです。

柿は捥ぐものです。たくさんなったと喜ぶものです。
なったまま捥がれもせずもったいないなと思いながら眺めるも
のです。

私たちはその色に子供の頃に見た夕陽を思い出します。その色
に染まった空の下でご飯のできた家に戻ることを想像します。
その色はいつまでも続くように思えていたことを思い出すので
す。

今年の柿をまた食べられますようにと柿を食い、もう最後かと
秋の一時期だけに食べられる果物を楽しむのです。
去年はおなじみの柿農家ができました。
今年もそこへ母を連れていき、また柿が食べられたねと喜ぶつ
もりです。夕陽の向かう先にはいつも母がいるのです。


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