イチロー的こころ（旧版）

小さい写真で伝わるだろうか、心もとない真っ暗写真です。

これは既報の９月２日の浜松酒造天神蔵のビアテラスファイナルの一場面。

３部構成の３部、いよいよ盛り上がり、手叩き足踏み鳴らし、５０ショールダース
の演奏に酔いしれるのは、フォークソング世代、若くても４０代、中心は５０代のみな
さんです。

自分も４９歳のどっぷりとこの時代を生きたかつての若者、配っていただいた歌詞
カードを見ずともどの曲も歌えてしまう。
生のフォークバンドの演奏があれば、忘れていた歌詞も浮かんできて口をそろえて
皆が歌うのです。

最後に近づけば我々の世代だって座ってはいられない。
全員が立ち上がり、手拍子合わせて歌います。蔵の中庭は全員が２０代に戻って
歌うのです。

知ってはいても席深く座り、静かに音楽を楽しむようになっていたのに、この時は
全員の顔が紅潮し座ってはいられなくなった。

バンドが歌えばコーラスするのはさっきまで観客だった私たち、そのうちにバンドの
メンバーはどんどん増えて天神蔵の中庭は１組のフォークのビッグコーラスグループ
となる。

音楽を楽しむことは、参加する楽しみなのです。
手をふりあげ、我々の世代が体で覚えている簡単なリズムで体を揺らし、大きな口
をあけて一緒に歌うのです。

いつの間にか歌詞カードを下を向いて読む人はいなくなりました。
全員が知っている歌を歌うのですから自信満々なのです。

大きな大きな声の輪が広がり、もっともっと歌おうとバンドを急かします。

サントリーのＣＭのように「人生おいしくなってきた」世代がまた自分たちの宝石を見
つけました。

時代の先端だった頃を思い出し、今社会の中心にいる自らを知る。

キラキラしている顔だらけの夜でした。